Lesson 16 不定詞と動名詞

◇前回の復習
少しペースを上げて進んできましたが、復習も忘れず頑張りましょうね。

不定詞の3用法を復習しておきましょう。

a) 名詞的用法 b) 形容詞的用法 c) 副詞的用法

でしたね。意味は覚えていますか?あまり意味を前回強調していないので、ここで再確認しておきましょう。

a) 「・・すること。」 b) 「・・するための〜」 c) 目的「・・するために」、原因「・・して」

OKですか?では、例文を確認して本題に入ります。

a)
名詞的用法
1) He loves to play basketball.
 「彼はバスケをするのが大好きだ。」 (
目的語
2) To learn something is very important.
 「何かを学ぶことが、とても大切です。」 (
主語
3) My favorite is to have tea before breakfast.
 「僕のお気に入りは、朝食前に紅茶を飲むことです。」 (
補語

b)
形容詞的用法
1) I have a lot of things to do today.
 「僕は今日たくさんのするための(するべき)ことがある。」
2) I want something to eat.
 「僕は何か食べるためのもの(食べ物)が欲しい。」

c)
副詞的用法
1) Ken studied English to go to America.
 「ケンはアメリカに行くために英語を勉強した。」 (
目的
2) I was very sad to hear the news.
 「僕はその知らせを聞いてとても悲しかった。」 (
原因


◇動名詞の意味と形

動名詞は不定詞よりもまだ理解しやすいかもしれません。

動名詞は読んで字の如く、【
動詞の名詞形】です。

ってことは、前回学んだ不定詞の名詞的用法の訳し方がそのまま適用されるのです。

◎ 動名詞 
「・・すること」

そして、動名詞の形は進行形で用いた ing 形と全く同じです。
(*また今後のレッスンで学びますが、 ing を現在分詞と呼びます。)

動詞 play
動名詞
playing

動詞 swim
動名詞
swimming

形はOKですね。進行形のレッスンを復習し、 ing 形の作り方を確認しておいて下さいね。

◎ 動名詞は
ing 形


◇動名詞の使い方

では、動名詞は何のために使うのでしょう。
文型を構成する主要素という点を考えたとき、動名詞には次のような役割があります。

a) 主語として
Watching movies is interesting.
「映画を観るのは面白い。」

b) 補語として
My job is teaching English.
「僕の仕事は英語を教えることです。」

c) 目的語として
Your sister loves
singing.
「あならの妹は歌うのがとても好きですね。」

d) 前置詞の目的語として
Tom is good at
writing Japanese.
「トムは日本語を書くのが上手い。」

このような役割はどこかで学んだ気がしませんか?

不定詞ですね。
【to + 動詞の原形】にも(a)〜(c)と同じ役割がありました。ただし、(d)の前置詞の目的語になるのは動名詞(または名詞・代名詞)だけですから注意しましょう。

では、前置詞の目的語の説明をしておきます。

そもそも前置詞とは何でしょうか?
英文中には必ず in / at / on / from などの部品みたいなものをよく目にします。
これらを総称して前置詞と呼びますが、読んで字の如く【
前に置く言葉】を意味します。

日本語の「の」「に」など助詞に近いものですね。日本語では、助詞がなければ変な響きがあるだけで済むことがありますが、英語の前置詞がなければ変な響きどころか、意思が伝わらない場合もあり、助詞よりも大きな仕事をしています。

では、このような前置詞を何の前に置くのか?
基本は名詞の前です。ですから
前置詞の後ろは名詞でなければなりません。

He likes music. の music は likes の目的語ですね。likes の気持ちが music に向けられています。このような
動詞の対象を目的語と呼びました。

同様に
Ken is staying in Hokkaido now.
「ケンは今北海道に滞在している。」

の in と Hokkaido の関係を見てみましょう。

前置詞 in 「・・の中で、・・で」はどの言葉を対象として、つまり、どの言葉に向かって働きかけているのでしょう?

もちろん Hokkaido ですね。
このような前置詞の後ろにあり、
前置詞の影響を直接受けている言葉を【前置詞の目的語】と呼びます。覚えておきましょう。

そして、前置詞の目的語には名詞でなければなりませんから、動詞を前置詞の後ろに置きたい場合は名詞と同じような働きである動名詞(・・ing)に変えてあげなけれなばならないのです。

その代表例を1つ挙げておきます。

be good at 〜 「・・が得意である。」

この at の後ろには名詞を置いて
I am good at English.
「僕は英語が得意だ。」とすることもできますし、もう少し具体的に speak を使って

I am good
at speaking English.
「僕は英語を話すことが得意だ。」とすることも可能ですね。


先ほど、不定詞は、この前置詞の目的語にはなれないと書きました。これもしっかりと覚えておきましょう。
同じ名詞的用法を持つ
不定詞は前置詞の目的語にはなれません
※不定詞は動名詞よりも名詞的機能が弱いのです。

(×) I am good at to speak English.


◇不定詞の名詞的用法と動名詞の違い

動名詞は「・・すること」ですから、不定詞の名詞的用法と同じ訳し方が適用されるのですが、ではニュアンスに違いはあるのか?

あります。主語として扱う場合に覚えておくべきニュアンスの違いがあるので覚えておきましょう。

a) To study French is interesting.
b) Studying French is interesting.

さあ、(a)(b)の違いを考えますよ。このようなシチュエーションの場合、どちらが正しいと思いますか?

『普段からフランス語の勉強をしていて、面白いことに気づいている。』

結論から、正解は今日のレッスンで学んでいる動名詞を用いた (b) です。

動名詞は、習慣(継続)的な行為や一般論を示し、
不定詞は【これから先のことをイメージして「・・したとしたら、それは〜だろうな。」という含みがあるのです。

不定詞の to はもともと「・・へ」という方向性を示すものから生まれました。ですから未来表現でも be going to のように to が使われていると考えます。従って to のもともとの機能からこのようなニュアンスが生まれたんですね。

ですから、例文(a)には
『フランス語をやってみたら面白いだろう。』の気持ちがあるわけですね。

訳す場合は同じように
「フランス語を勉強するのは、面白いです。」となりますが、
話し手のイメージは違うわけですね。


◇不定詞・動名詞の熟語的表現

(a) He likes playing the piano.
(b) He likes to play the piano.

さて、例文のように動名詞も不定詞も動詞の目的語になれます。例文(a)(b)の場合は、どちらを用いても差し支えありません。

それは like が動名詞でも不定詞でも、目的語にすることができるからなんです。

ところが、そうでない動詞もあるのです。

(×) He wants playing the piano.
(○) He wants to play the piano.

want は後ろに動詞を置く場合、必ず不定詞でなければならないのです。

逆にこれもダメです。

(×) She enjoys to cook.
(○) She enjoys cooking.

enjoy の後ろに動詞を置く場合は、必ず動名詞でなければいけません。

このように、動詞によって、目的語に動詞を置く場合3つのパターンに分かれます。

動名詞でも不定詞でもOK
動名詞だけ
不定詞だけ


動詞によって異なるので、覚えていくのは大変ですが、次のような基本的なイメージをもっていれば、全てに当てはまるわけではありませんが助けになります。

◎不定詞を目的語に取る動詞は未来志向!

want は「・・が欲しい」と、何かを望むわけですね。気持ちは前に向いている感じですか want to となる。

他には hope も同じです。hope も「・・を望む。」で未来に話し手の気持ちがあるわけですから hope to になります。

さらに
decide 「・・を決心する」も決心する事柄は未来にあるわけですね。まだ実現していないから決心する気持ちがあるわけです。ということで、decide to 「・・することを決心する。」となるのです。

◎動名詞を目的語に取る動詞は継続志向!

ちょっと意味が分かりませんか(笑)例えばこんな動詞です。

enjoy, finish, give up, stop です。

どれも後ろが継続的な内容でなければ不自然なのです。

enjoy 「・・を楽しむ。」
あることを継続して、その間の時間を楽しむのですね。

finish 「・・を終える。」
これも、何かを終わらせるためには、ある動作が一定の間継続していなければなりません。

give up 「・・を諦める。」
何かを、継続していて、それを何らかの原因で止めてしまうということですね。

stop 「・・を止める。」
これはイメージしやすいですね。止めるためには、何か一連の継続した動作があるということですから。

ちょっと強引だったような気もしますが、不定詞は【未来志向】、動名詞は【継続志向】というイメージがあれば、このような熟語的表現(慣用句)も覚えやすいのではないでしょうか。

でも、これはあくまでも原則であり、これに適用されない動詞もありますので、そこは我慢して暗記しましょう!

ちょっといくつか初心者に必要な動詞を挙げておきます。
どちらでもOK like / love / start / begin / continue
動名詞のみ enjoy / finish / stop / practice / give up
不定詞のみ want / hope / decide


◇不定詞と動名詞では意味が異なるもの

では、次に不定詞でも動名詞でもOKだけど、意味が異なるという学習者泣かせの動詞をご紹介しましょう。これで最後ですので、もう一息!

try
a) try to 
「・・しようとする、・・しようと努力する。」
実際に、まだやっていない。

b) try ・・ing
「(試しに)・・してみる。」
実際に、やってみたことになります。

forget
a) forget to
「・・することを忘れる。」
約束をすっぽかしたときに使えますよね。

b) forget ・・ing
「・・したことを忘れる。」
記憶喪失です。

remember
a) remember to
「忘れずに・・する。」
約束事をキッチリ守るんですね。forget to の反意語です。

b) remember ・・ing
「・・したことを覚えている。」
なぜか嫌な思い出のほうが忘れませんね。forget ・・ing の反意語です。

stop
a) stop ・・ing
「・・することを止める。」
生徒に " Stop talking ! " と叫んでもあまり効果はありませんでした(笑)

b) stop to
「(目的)・・するために立ち止まる。」
不定詞には目的を示す副詞的用法がありましたね。
stop は目的語としての不定詞は来ませんので、この不定詞は目的語ではなく単なる副詞になります。

(他の try / remember / forget は目的語として不定詞を置いています。)

ですから、次のような文型を考える際に要注意です。

My father stopped to smoke.
「父はタバコを吸うために立ち止まった。」

何文型ですか?

stop は不定詞が目的語になることはありません。後ろに不定詞がある場合は副詞ですから、SVで完結した英文ということになります。(副詞は S/V/O/C などの主要素にはなりませんでしたね。)

「父は立ち止まった。」 SVだけで確かに文が成立していますね。


◇まとめ

本当に説明することが多くなってきました。基本だけでこれだけの情報があるんですね。
普段、口に出して教えている内容を文章化するとボリュームがあるので驚きです。

大変ですが、基本を抜かすわけにはいきません。ここで諦めたら結局夢見る夢男・夢子さんで終わってしまいます。最後まで頑張りとおしてくださいね!

今日は演習形式でまとめにしましょう!

演習1)次の動詞に注意して、(  )内の適切な形をそれぞれ選んで下さい。

1) My father enjoyed ( eating / to eat ) Japanese food.
2) They didn't give up ( studying / to study ) French.
3) She hoped ( seeing / to see ) him again.
4) He couldn't finish ( doing / to do ) his job last night.
5) I want ( watching / to watch ) this movie with her.
6) Your sister decided ( going / to go ) to New Zealand.
7) Please practice ( speaking / to speak ) English.

演習2)次の英文の文型は何文型になるでしょうか。

1) Having breakfast every morning is very important.
2) My job is teaching English at school.
3) He likes taking pictures.

演習3)次の日本語に合う英文はどちらになるでしょうか。

1) 「彼は忘れずに彼女に電話をした。」
a) He remembered to call her.
b) He remembered calling her.

2) 「僕の友だちは英語を話そうとした。」
a) My friend tried to speak English.
b) My friend tried speaking English.

3) 「あなたの姉は朝食を食べたことを忘れます。」
a) Your sister forgets to eat breakfast.
b) Your sister forgets eating breakfast.

4) 「話すために立ち止まらないで。」
a) Don't stop to talk.
b) Don't stop talking.


どうでしょうか。まだうる覚えのうちは難しいかもしれません。ではチェックしましょう。


演習1)からです。

1) 2) 4) 7) の動詞は全て継続志向です!従って、後ろは動名詞にする必要があります。
一方、3) 5) 6) の動詞は全て未来志向です!ですから後ろは不定詞になります。

正解と日本語訳を確認しておきましょう。
1)
eating
「父は日本食を食べるのを楽しんだ。」

2)
studying
「彼らはフランス語の勉強を諦めなかった。」

3)
to see
「彼女は彼にまた会えることを望んでいた。」

4)
doing
「彼は昨夜、自分の仕事をし終えることができなかった。」

5)
to watch
「僕はこの映画を彼女と観たい。」

6)
to go
「あなたの妹はニュージーランドに行くことを決心した。」

7)
speaking
「英語を話す練習をして下さい。」


では、演習2)をチェックしましょう。

動名詞の役割を考える問題ですね。動名詞は名詞と名前が付くわけですから、名詞の役割をしましたね。
文型を考える場合、
名詞というのは、【主語・目的語・補語・前置詞の目的語】の役割があります。ですので基本的にこの動名詞も同じだと言えます。

1) Having breakfast every morning is very important.

このうち Having が動名詞ですね。後ろに食べるものがありますから、この have は eat の意味で使われ、動名詞 having は「・・を食べること」になります。

そして、文頭にありますので主語と考えるのが自然ですよね。

主語(S) Having breakfast every morning 「毎朝、朝食を食べること」

動詞(V) はもちろん is 「・・です。」ですね。
この意味の場合は、後ろに補語を必要とする不完全自動詞でしたね。
(忘れた方は、すぐに復習しましょう。補講1 紛らわしい英文

ということで、is(V)の後ろの very important は補語になります。

補語(C) very important 「とても大切な」

結局答えは 
SVC文型でした。
「毎朝朝食を食べることは、とても大切です。」

2) My job is teaching English at school.

動名詞は teaching ですね。

「学校で英語を教えること」これは主語(S)である My job 「私の仕事」を説明していますよね。主語を説明し、未完成な部分を補うもの、つまり補語(C)ですね。不完全自動詞である is がある時点で後ろは補語だと判断することも可能です。

正解は、
SVC文型でした。
「私の仕事は学校で英語を教えることです。」

3) He likes taking pictures.

主語(S)は He で、動詞(V)は likes ですね。この動詞は「・・が好き」という目的語が必要な他動詞です。つまり、動名詞 taking pictures 「写真を撮ること」は目的語(O)になっているんですね。

正解は 
SVO文型
「彼は写真を撮ることが好きだ。」

はい、それでは最後の演習3)を確認しましょう。

目的語が不定詞と動名詞では意味が異なる動詞でしたね。不正解だった英文の解説をしておきます。

1) 「彼は忘れずに彼女に電話をした。」

a) He remembered
to call her. (

b) He remembered calling her. (×)
remember ・・ing で「・・したことを覚えている。」でしたね。

2) 「僕の友だちは英語を話そうとした。」
a) My friend tried
to speak English. (

b) My friend tried speaking English. (×)

try ・・ing は「(試しに)・・してみる。」で実際に実行した意味になりますね。問題では実行には移っていません。

3) 「あなたの姉は朝食を食べたことを忘れます。」

a) Your sister forgets to eat breakfast. (×)
forget to は「・・することを忘れる。」これから先の行動計画を忘れてしまうということですね。

b) Your sister forgets
eating breakfast. (

4) 「話すために立ち止まらないで。」

a) Don't stop
to talk. (
1)-3) までの動詞は目的語として不定詞を置くことも出来ましたが、 stop は目的語としての不定詞ではなく副詞としての不定詞になります。つまり「・・するために」という目的を示す副詞的用法でした。

b) Don't stop talking. (×)

一応、正解の確認と、不正解だった英文の日本語訳をチェックしておきましょう。

1)
a b 「彼は彼女に電話したことを覚えていた。」
2)
a b 「僕の友だちは英語を話してみた。」
3)
b a 「あなたの姉は朝食を食べることを忘れます。」
4)
a b 「話すのを止めることをしないで。(話し続けて!)」

よろしいですか。ちょっとまだ難しいかもしれませんね。


最後に、ちょっと振り返ってみましょう。

I like English. SVO文型

皆さんは、最初このような英文からスタートしました。
「僕は英語が好き。」

とてもシンプルな英文でした。どんどん新しいことを積み重ね、そして不定詞や動名詞を学びました。

I like to study English.

Speaking English is very interesting.

ちょっとした英文法で、
「英語が好き。」という単純な意思表示から「英語を勉強することが好き。」や「英語を話すことが好き。」と具体性を帯びた英文を話せるようになりました。会話の幅が広がったわけですね。

そして、少し複雑に見える文型解釈も可能になったはずです。

[ I ] [ like ] [ to study English ]. SVO文型

[ Speaking English ] [ is ] [ very interesting ]. SVC文型

もう to study や Speaking が名詞として「・・すること」と訳せることを見抜けるわけですね。そして、名詞だから主語になったり、目的語になったりすることもご存知のはずです。

まだまだ英文法が難しく感じると思います。嫌になることもあります。新しい情報のオンパレードです。

でも、確実に皆さんの英語スキルに磨きがかかっているのです。覚える苦しさばかりを感じるのではなく、覚える喜びもぜひ感じてもらえたらな、と思います。

では、次回も頑張りましょう。
お疲れ様でした。