Lesson 20 現在完了形1

◇前回の復習

前回は書き換えパターンが難しかったかもしれませんね。
過去分詞という言葉も出てきました。「・・される」という意味でしたね。それに be動詞と行為者を示す場合は by を用いてできたのが受け身表現(受動態)でしたね。

受身表現 
【be動詞 + 過去分詞 + by 行為者】 「・・によって〜される。」

行為者を示す必要のない一般的事実を述べる場合は by は必要ありませんでしたね。以下のような英文です。

English isn't spoken in this country.
「この国では英語は話されていません。」

These books are sold at that store.
「これらの本はあの店で売られています。」

また、 by 以外の前置詞を用いた受け身表現もありました。

I'm not interested in him.
「私は彼に興味がありません。」

受け身表現では一般動詞の後ろを主語にして、能動態から受動態へと書き換えることも可能でした。しかし、意味はけっして同じとは言えずニュアンスは異なりました。また不自然な英文になることもありますので注意が必要でしたね。

これ以外にも大切なことがまだありましたので、しっかり復習しておきましょう!


◇現在完了形

さあ、レッスンもいよいよ終盤です。最後までがんばりましょう。

では、2つのレッスンにまたがって現在完了形を見て行きます。
さあ、まずは新しい形だけをチェックしましょう。意味はあとで考えます。

◎ 現在完了形 
have ( has ) + 過去分詞

have が出てきましたね。でもこの have は一般動詞ではありません。(※助動詞)
これだけでは意味を成さないので、混同しないようにしましょう。

そして、また過去分詞が出てきましたね。前回の受け身同様、1つ1つ覚えていくしかありませんので頑張ってくださいね。


◇現在完了形の役割

現在完了形の役割を考えましょう。次の英文を見てください。

I wrote a letter to her.
「僕は彼女に手紙を書いた。」

これは過去形を用いた過去の文ですね。
「手紙を書いた。」という過去のある一時点の出来事を述べている文です。

「手紙を書いた。」という事実を述べているだけで、現在へのつながりは全くありません

【手紙を書いて、その返事を心待ちにしている】というニュアンスはこれにはありません。

かといって、

I am waiting for her reply.
「僕は彼女の返事を待っています。」

のような現在進行形では、まさに今の一時的な状況を示しているに過ぎません。これも過去からのつながりはありません。

そこで、登場するのが【現在完了形】なのです。

現在完了形は過去から現在へのつながりを示してくれるものなのです。
実際にどのような用法があるのかチェックしていきます。


◇現在完了の3用法

現在完了形には3つの用法があります。
そして、基本は【have + 過去分詞】ですが、用法に応じて登場する単語があります。


では早速チェックしておきましょう。
用法名 意味 関連語
1 完了 「・・したところだ。」
「・・してしまった。」
* 「・・した。」
(* 過去のニュアンスとは異なる)
just 「ちょうど」
already 「すでに」
yet 「まだ、もう」
2 経験 「・・したことがある。」 ever 「今までに」
never 「(一度も)・・ない」
before 「以前に」
3 継続 「(ずっと)・・している。」 since 「・・以来」
for 「・・の間」

では、用法例を実際の英文でチェックしていきます。

完了)
a) I
have just cleaned my room.
「僕はちょうど部屋を掃除したところだ。」

b) My mother
has already washed his car.
「私のお母さんはすでに彼の車を洗ってしまった。」

c) My mother
hasn't washed his car yet.
「私のお母さんはまだ彼の車を洗っていません。」

d)
Has my mother washed his car yet?
「私のお母さんはもう彼の車を洗ってしまいましたか。」

a) b) 共通して、過去に「掃除をした。」「車を洗った。」事実がありますが、話し手の意識は現在にあります

ここが現在完了の大きなポイントです。

a) just を使って、今現在ちょうど用事を完了してホッとしているような印象が伝わってきますし、b) では already を用いて、すでに用事を済ませて今は他のことをしていたり、休憩中な印象、あるいは、やってはいけないのにわざわざもう洗ってしまった、という悪い印象も文脈によってはあるでしょう。


過去に何かを完了して、そして現在はどうなのか
、現在完了形を用いることによりリアルな印象を伝えてくれます。

c) d) ですが、これは現在完了の否定文疑問文となっています。

◎ 現在完了形の否定文 【
have ( has ) not + 過去分詞
◎ 現在完了形の疑問文 【
Have ( Has ) + 主語 + 過去分詞 ?

現在完了形における have は動詞ではなく、助動詞という部類に入ります。ですから will や can などと同じように、それ自体に not を付けて否定文に、そして文頭に移動して疑問文にすることが可能です。

c) d) では
yet という単語が使われています。現在完了形で常に文末に来るのがポイントです。また some が疑問文・否定文になると any に変わるのと同様に、yet は already が変化したものです。

肯定文 already → 否定・疑問文 yet

否定文 「
まだ・・していない。
疑問文 「
もう・・しましたか。

yet は否定文と疑問文とでは意味が異なりますので注意しましょう。


◇経験

では2つ目の用法【経験】です。意味は
「・・したことがある。」です。

次の2文を比較してみましょう。

過去形
He watched this movie last night.
「昨夜、彼はこの映画を観た。」

現在完了形
He has watched this movie before.
「彼はこの映画を以前に観たことがある。」

こうして並べてみるとやはりニュアンスは異なりますよね。過去形は単なる過去の一時点の出来事を述べただけに過ぎません。現在完了形を用いると、過去にこの映画はもう観たことがあるから、今日は違う映画にしよう!という気持ちも示すことができます。

さて、完了用法と経験用法の違いとして押さえておくべき表現があります。

「僕の弟はオーストラリアに行ったことがある。」

日本語から明らかに経験用法を用いるべきだと分かりますが、どんな英文になると思いますか?

普通に考えると

My brother has gone to Australia.

となるでしょう。

でも、実はこの英文だと、「僕の弟はオーストラリアに行ってしまった。」となり【完了】用法になってしまうのです。面白いですねぇ〜。

正解は、

My brother has been to Australia.
「僕の弟はオーストラリアに行ったことがある。」

go の過去分詞
gone を使えば【完了】用法となり、be動詞の過去分詞 been を使えば【経験】用法となります。不思議な言葉の世界ですが、これくらいは基本常識の範囲ですのでしっかりと覚えておきましょう。

整理しておきます。

have ( has )
gone to 〜 「〜に行ってしまった。」 (完了用法)
have ( has )
been to 〜 「〜に行ったことがある。」 (経験用法)

OKですか?

次に経験用法で押さえて欲しい関連語が ever と never です。

疑問文 ever
Have you
ever been to the country?
「あなたは今までにその国に行ったことがありますか。」

No, I haven't.
「いいえ、ありません。」

否定文 never
She has
never helped her brother.
「彼女は今までに一度も弟を助けたことがありません。」

ever は疑問文に使われ、never は否定文で使われます。しっかりと使い分けて下さいね。そしてどちらの文にも before を文末に加えてもOKです。特に訳出する必要はありませんが。

(*never の否定文の場合、never だけで not の意味が含まれていますので、have や has を否定形にする必要はありませんので注意しましょう!)

また have ( has ) not の短縮形もここでチェックしておきましょう。

have ( has ) not =
haven't ( hasn't )

そして、疑問文の答え方にも注目しておいて下さいね。
have や has をそのまま使って答えて下さいね。

Has he ever read this novel?
「彼は今までにこの小説を読んだことがありますか。」
No, he hasn't.


◇継続

現在進行形を用いたこの英文も一応継続でしょう。

I'm studying English.
「僕は英語の勉強をしています。」

でも、あくまでも現在進行形は、まさに今という一時的な状況に過ぎません。

もう少し長いスパンで考えたのが、現在完了形の【継続】用法になります。

I have studied English since last year.
「僕は去年から英語の勉強をしています。」

ある勉強を開始した過去から今現在に至るまで継続して何かをしている感じがよく出ていますね。

もっと短いスパンでもOKです。
I have studied English for 2 hours.
「僕は2時間(ずっと)英語の勉強をしている。」

継続用法
「(ずっと)・・している。」は、過去のある時から現在も継続していることを示しています。

ややこしいのが、現在の習慣は現在形になりますし、今の一時的な状況は現在進行形になるということです。

現在形
I practice kendo.
「僕は剣道の練習をします。」

現在の習慣です。いつから始めたのか、は全く問題にしていません。

現在進行形
I'm practicing kendo.
「僕は剣道の練習をしているところです。」

単なる今の状況です。普段は全く練習をしていない可能性もあります。

現在完了形
I have practiced kendo for ten years.
「僕は10年間剣道を練習しています。」

話し手の中で過去から現在に至るまで、剣道を継続して練習してきたという意識が現れていますね。

3つの英文の違いをしっかりとイメージできたでしょうか?


では、次に関連語としてすでに例文の中で登場している since と for の使い分け方法をチェックしなければなりません。

since と for の違い
since 前置詞・接続詞 「・・のときから、・・して以来」
「昨日」「先週」「2000年」などの【】を表す。
または具体的な状況を示す文が来る。
for 前置詞 「・・の間」
継続状態の長さを示し、「2時間」「5日間」「3年間」などまとまった【期間】を表す。

for は期間を示すものの前に置きますので、 を示す yesterday を用いて (×) for yesterday とは言えません。

また、「私が彼女に出会ってから」というように具体的な状況を示す文が来る場合は接続詞(文と文をつなげる言葉)機能もある since しか使えません。 

例)
(○) since I met her
(×) for I met her

少し間違え易いのが年号です。1990をまとまった期間で考えれば for ですし、1990年という時とすれば since ですね。

for 1990 「1990年間」
since 1990 「1990年のときから」

ですが、1990年間というのは不自然で、普通は since を用いるでしょうね(笑)


◇まとめ

受け身にしろ現在完了形にしろ、過去分詞を覚えていなければ話になりません。覚えることが本当に多いのですが、我慢我慢ですね!

次回も現在完了形を取り上げますので、軽めのまとめです。

演習)次の英文を日本語に直しましょう。
1) Have you ever read this book?
2) My father has never been to Hokkaido.
3) I have just washed my hands.
4) She has already finished her job.
5) Tom has studies Japanese since he came to Japan.
6) He hasn't read this letter yet.
7) Have your mother met the man yet?
8) I have stayed in Kyoto for two weeks.
9) I have watched this movie before.
10) She has gone to China.


さあ、適切に日本語訳が思い浮かんだでしょうか?
一応ポイントになる語句は太字になっています。では、チェックしましょう。

1)
「あなたは今までにこの本を読んだことがありますか。」 (経験)

2)
「僕の父は今までに一度も北海道に行ったことがありません。」 (経験)

ever は疑問文で、 never は否定文で使われましたね。これらは経験用法で登場します。
(現在完了以外でも、使われることがあります。詳しくは一度辞書をご覧になって下さいね。)
また、 have been to 〜 で「〜に行ったことがある。」になりましたね。

3)
「私はちょうど手を洗ったところです。」 (完了)

4)
「彼女はすでに仕事を終えました。」 (完了)

5)
「トムは日本に来て以来、(ずっと)日本語を勉強しています。」 (継続)

since の後ろは【時】を示すものが来ました。【期間】を示す for とは違い、問題のように文章(節)が来ることも可能です。

6)
「彼はまだ、この手紙を読んでいません。」 (完了)

7)
「あなたのお母さんはもうその男性に会いましたか。」 (完了)

already が否定文や疑問文になると yet に変化しましたね。そして、それぞれ意味が異なるので注意が必要です。疑問文では「もう〜」、否定文では「まだ〜していません。」になるのでした。

8)
「私は2週間、京都に(ずっと)滞在しています。」 (継続)

5)のsince と比較してしっかりと覚えておきましょう。具体的な期間が来る場合は for でしたね。

9)
「私は以前にこの映画を観たことがあります。」 (経験)

10)
「彼女は中国に行ってしまった。」 (完了)

2)と比較して覚えておきましょう。been と gone では用法も意味も異なります。


最初のうち、現在完了はかなりややこしいと思います。
過去があって現在がある。その感覚を形にしたものが現在完了です。過去に何かがあり、それが現在にどうつながっているのか、過去形と全くニュアンスが異なるのが面白いです。なぜここは現在完了になっているのか、話し手の気持ちを読み取る習慣も少しずつ養ってもらえたらと思います。